子育て・保育・教育をもっとつなげたい

f:id:yurinako_sensei:20220309154510j:plain

子どもからの一言に衝撃

小学校の教員になってまだ2年目のころ(10年くらい前)、学期末で学習用具をたくさん持ち蹴る時期のこと。その日はお道具箱を持ち帰るために、大きめの紙袋を持ってくるように指示していました。1年生の子にとって、お道具箱は大荷物です。

 

帰りの支度をさせていると、廊下からけんかをしている声が聞こえました。かけつけてみると、どうやら遊ぶ約束のことでけんかになってしまったとのこと。
「今日、遊ぶ約束してたじゃん!予定ないのになんで遊べないの?」
「だってママがだめって言うんだもん!」

 

よくよく話を聞いてみるとすると、男の子がこんなことを話していました。
「〇〇のお店の紙袋を持ってきた子とは遊ばないでってママに言われたの。」

どうやらその子の親は、某カジュアル衣料品店の袋を持ってくるような庶民派家庭の子どもとは付き合わないでほしいということを話していたらしいのです。

 

・・・衝撃的でした。
自分のママ友付き合いならともかく、まだ1年生の子にもそんな線引きをさせるのかと・・・。


何度もお会いしたことのあるママで、とてもお子さんのことを大切に考えていることがひしひしと伝わるような方だったのでますます驚きました。

親子・子育てって…

学校の先生はあくまでも子どもを育てる存在ですから、「子ども」を中心にものごとを見ていました。というかそれまでは、「子ども」しか見ていませんでした。
しかしこの時をきっかけに、親子関係や子育てについて関心をもつようになりました。子どもを育てるということは、周りの大人も巻き込んでいくことが必要なんだなと実感しました。

 

数年たってからそのママとお話する機会があったのですが、どうやらその時期はママがかなりストレスフルでいっぱいいっぱいだったとのことでした。
お仕事・子育て・家庭・介護などいろいろな課題が一気に押し寄せて、それはもう大変だったと…。


あの一言はとっさに出た一言だったのかなと安堵した半面、
親の立場の大変さ、子育てが孤独さ、他に相談できるところ・サポートしてくれる人はいなかったのかな、と感じました。

今、思うこと

自分も2人のこどもを育てながら教員として勤めてみると、また世界の見え方が変わりました。(またこんどゆっくりと…)

子どもを育てる人・場はたくさんなのに、「子育て・保育・教育」ははっきりと線を引かれてしまっていているのです。


家ではこうだから、保育園ではこう、学校はこういうものだから、という違いが多くて子どもが混乱する姿をたくさん目にしてきました。
もちろんTPOに合わせた立ち振る舞いを学ぶことも大切ですが、こんなに小さいころから「誰かに合わせる」ことを優先にしなくてもいいんじゃないかなと思います。

 

「子育て・保育・教育」がお互いをもっと知ることで、少しでもその隙間を埋められたいいなと考えています。