「学校」って何をするところ?

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「学校」って、何をするところなんだろう?

自分が教員をしていたとき、毎年子どもや保護者に聞いていた質問です。

 

小学生に聞くと、
・勉強するところ
・友達と過ごすところ
・大人になるためのところ
・行かなきゃいけないところ
なんて答えが返ってきました。

 

園ママパパ・小学生ママパパに聞くと、
・学力をつけるところ
・勉強するところ
・友達を作るところ
・友達とのかかわりを学ぶところ
・社会性を学ぶところ
・コミュニケーション能力をつけるところ
という答えが多かったです。

 

いっしょに働いていた先生たちに聞くと
・社会に出て生きていく力をつけるところ
・基礎学力をつけるところ
・人間関係の作り方を学ぶところ
・人とかかわる大切さを知るところ
・規律や協調性を学ぶところ
という答えが多かったかな。

(↑答えはそれぞれ多い順)

 

自分が小・中・高・大と通っていた16年間、
小学校教員として勤めた10年以上、
今まで生きてきたほとんどを「学校」とともに過ごしてきたけれど、
これ!と断言できる答えが出せるものではないし、人によって感じ方が違う
とも思います。


私は、「学校は考えるところ」だと思っています。
指示されたことや決められたことに従うのではなくて、自分で考えること。
テストの点数や“よくできる”の数ではなくて、自分で考えること。
考えるからこそ試してみたい、体験してみたいと思えるし、
考えても分からないことがあるから友達に聞きたい、調べたいと思える。


だから先生は、

◎子どもが考える場面を作る
 (いかに子どもが考える場面を奪わないか)
◎子どもが考えたことを実践できる環境を作る
◎考えを広げたり深めたりすることの喜びを、子どもが実感できるような支援をする


ことが大切だなと、私は考えています。

子育て・保育・教育をもっとつなげたい

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子どもからの一言に衝撃

小学校の教員になってまだ2年目のころ(10年くらい前)、学期末で学習用具をたくさん持ち蹴る時期のこと。その日はお道具箱を持ち帰るために、大きめの紙袋を持ってくるように指示していました。1年生の子にとって、お道具箱は大荷物です。

 

帰りの支度をさせていると、廊下からけんかをしている声が聞こえました。かけつけてみると、どうやら遊ぶ約束のことでけんかになってしまったとのこと。
「今日、遊ぶ約束してたじゃん!予定ないのになんで遊べないの?」
「だってママがだめって言うんだもん!」

 

よくよく話を聞いてみるとすると、男の子がこんなことを話していました。
「〇〇のお店の紙袋を持ってきた子とは遊ばないでってママに言われたの。」

どうやらその子の親は、某カジュアル衣料品店の袋を持ってくるような庶民派家庭の子どもとは付き合わないでほしいということを話していたらしいのです。

 

・・・衝撃的でした。
自分のママ友付き合いならともかく、まだ1年生の子にもそんな線引きをさせるのかと・・・。


何度もお会いしたことのあるママで、とてもお子さんのことを大切に考えていることがひしひしと伝わるような方だったのでますます驚きました。

親子・子育てって…

学校の先生はあくまでも子どもを育てる存在ですから、「子ども」を中心にものごとを見ていました。というかそれまでは、「子ども」しか見ていませんでした。
しかしこの時をきっかけに、親子関係や子育てについて関心をもつようになりました。子どもを育てるということは、周りの大人も巻き込んでいくことが必要なんだなと実感しました。

 

数年たってからそのママとお話する機会があったのですが、どうやらその時期はママがかなりストレスフルでいっぱいいっぱいだったとのことでした。
お仕事・子育て・家庭・介護などいろいろな課題が一気に押し寄せて、それはもう大変だったと…。


あの一言はとっさに出た一言だったのかなと安堵した半面、
親の立場の大変さ、子育てが孤独さ、他に相談できるところ・サポートしてくれる人はいなかったのかな、と感じました。

今、思うこと

自分も2人のこどもを育てながら教員として勤めてみると、また世界の見え方が変わりました。(またこんどゆっくりと…)

子どもを育てる人・場はたくさんなのに、「子育て・保育・教育」ははっきりと線を引かれてしまっていているのです。


家ではこうだから、保育園ではこう、学校はこういうものだから、という違いが多くて子どもが混乱する姿をたくさん目にしてきました。
もちろんTPOに合わせた立ち振る舞いを学ぶことも大切ですが、こんなに小さいころから「誰かに合わせる」ことを優先にしなくてもいいんじゃないかなと思います。

 

「子育て・保育・教育」がお互いをもっと知ることで、少しでもその隙間を埋められたいいなと考えています。

はじめまして。

はじめまして。yurinakoです。元小学校教員、2児の母です。

 

小学校の先生として子どもたちと関わるうちに、学校ではなく、もっと広い視点から子どもたちの成長を支えたいと思うようになりました。

 

その1つとして、ブログを始めました。

・10年以上の教員生活で実践してきたこと

・保育園・幼稚園と小学校をつなげる工夫

・先生たちの働き方について考えていること

・先生の視点と親の視点

などを発信していきたいと思っています。

 

子どもにかかわる、「子育て・保育・教育」がもっとつながったらいいなと考えています。

 

ブログ初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。